輸出向けの花鳥版画を手がけた新版画の作家
ITO SOZAN(1884–没年不詳)
伊藤総山(いとう そうざん、1884–没年不詳)は、渡辺版画店から花鳥版画を版行した新版画の作家です。1907年頃から欧米向けの「新作板画」を手がけ、小原古邨と並んで花鳥を得意としました。
About
伊藤総山(いとう そうざん、1884年生まれ、没年不詳)は、明治末から昭和初期にかけて活動した版画家です。1907年頃から渡辺版画店の版行で、複製浮世絵に代わる「新作板画」と呼ばれた輸出向けの木版画を手がけました。中心となる画題は花鳥です。
新版画としては1919年から1926年にかけて花鳥画と美人画を制作し、1921年と1932年には渡辺版画店が主催した展覧会にも出品しています。《堀きり花菖蒲》《谷中天王寺》は高橋松亭が風景を、総山が花鳥を描いた合作です。近景の花を大きく取る構図やぼかしの使い方には、歌川広重《名所江戸百景》の影響が指摘されています。
作品の多くが輸出用に摺られたため、国内に残っている点数は多くありません。海外から里帰りした作品や、額装のまま保管されていた作品もお持ちください。
Timeline
1884年
生まれる。
1907年頃
渡辺版画店から、輸出向けの「新作板画」を版行しはじめる。
1919年〜1926年
新版画として花鳥画・美人画を制作。
1921年
渡辺版画店主催の展覧会に出品(1932年にも出品)。
大正期
高橋松亭との合作《堀きり花菖蒲》《谷中天王寺》を制作。松亭が風景、総山が花鳥を担当。
没年不詳
晩年の消息は伝わっていない。
Point
伊藤総山は輸出向けの花鳥版画が中心で、同じ図柄でも摺られた時期によって評価が変わります。次の4点がわかる写真をお送りください。
版元印の有無
渡辺版画店の版元印は、摺られた時期を判断する手がかりになります。余白の隅まで入る写真をお願いします。
落款と印
「総山」の署名と印が入ります。読めない場合もそのまま撮っていただければこちらで確認します。
色の残り方
花鳥版画は退色が価格に直結します。日焼けの少ない作品は高く評価します。裏面も1枚お願いします。
額装・マット跡
輸出後に額装されたまま残る作品が多く、マットの跡やシミの位置を確認します。額から外さずに撮っても構いません。
Price lists
伊藤総山を含む版画作品につきましては、当店で実際に買取させていただいた実績を買取実績ページでご紹介しています。
Faq
海外で購入したものですが対象になりますか?
対象です。総山の作品はもともと輸出用に摺られたものが多く、里帰り品も同じ基準で査定します。
額に入ったままでも査定できますか?
できます。無理に外すと紙を傷めるため、額のまま撮った写真をお送りください。
落款が読めず、作者が総山かどうか分かりません。
落款まわりを寄りで撮っていただければ、こちらで確認します。作者が特定できない場合も査定は可能です。