Guide
お手元の版画が木版で摺られたものか、印刷された複製かは、多くの場合裏面を1枚見れば判別できます。専門知識がなくても確認できる4つの手がかりをご紹介します。
最も分かりやすい手がかりです。木版画は水性の顔料を和紙に摺り込むため、色が紙の裏側まで染み通ります。 裏返すと、表の絵柄がぼんやりと透けて見えます。これを裏移り(うらうつり)や、すきうつりと呼びます。
一方、オフセット印刷などの複製は、インクが紙の表面に乗っているだけです。裏返しても絵柄は見えません。
当店が実際に買い取った作品です。裏面だけを見ても、灯籠と松の配置が読み取れます。 ここまで抜けていれば、木版で摺られたものと考えて差し支えありません。
額装されている場合、裏板を外さないと裏面は確認できません。無理に外す必要はありません。 額のまま撮影した写真でも、下記の他の手がかりから判断できることがあります。
印刷物は、色の濃淡を細かい点の密度で表現します。これを網点(あみてん)といいます。 色の薄い部分をルーペで覗くと、規則正しく並んだ点の集合が見えます。
木版画にはこの網点がありません。色は面として塗られており、拡大しても点にはなりません。 濃淡は、彫りの深さや摺りの回数、ぼかしの技法によって作られています。
100円ショップのルーペでも十分に判別できます。スマートフォンのカメラを最大まで拡大しても確認できます。
江戸期から昭和初期の木版画は、楮(こうぞ)を原料とする手漉きの和紙に摺られています。 光にかざすと繊維が不均一に絡み合っているのが見えます。縁が切りっぱなしで、わずかに毛羽立っていることもあります。
複製ポスターに使われる洋紙は、繊維が均一で、縁が機械で断裁されたようにまっすぐです。 触った感触も、和紙のほうが柔らかく、しなやかです。
木版画は色ごとに版木を替えて、一色ずつ摺り重ねます。位置合わせには見当(けんとう)という目印を使いますが、 手作業のため、わずかなずれが出ることがあります。輪郭線から色がはみ出している箇所があれば、手摺りの証拠になります。
また、版木を強く押し当てた部分は紙が凹み、指で撫でると凹凸を感じられます。 印刷物の表面は平坦です。
ご自身で判断がつかない場合は、写真をお送りいただければこちらで確認します。 その際、表と裏をそれぞれ1枚ずつお送りください。裏面が判別の決め手になります。
復刻木版画のように、現代に彫り直されたものも木版画です。この場合、上記の4点はすべて木版画の特徴を示します。 オリジナルか復刻かの判別は別の観点が必要になるため、 本物の浮世絵と復刻版の見分け方もあわせてご覧ください。
判別に迷われた場合は、無料査定フォームまたは LINEから写真をお送りください。 査定・キャンセルは無料です。